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コメント/紹介記事

沖啓介(アーティスト)
これはすごく楽しい「映画」で、しかも日本語、ベトナム語、英語などでできあがってみんなで歌う音楽も抜群。

映画?フィールドレコーディング?ドキュメンタリー?とか思っているうちについついノってしまいます。

ちなみにハブヒロシ監督は、東京造形大学映画専攻の卒業です!

四方幸子(キュレーター)
「らせんの映像祭」(12/3-5)初日のオープニング上映作品、ハブヒロシ監督『音の映画 – Our Sounds』(初公開)を事前に体験。

ベトナムの人たちの日本での体験、そして日本の人たちと一緒に音が生まれていくプロセス…芽生え炸裂するエネルギー!境界は、超えられる!

声、音…いずれも印象的で、覚えやすく、心がこもってて、そして何より、優しい…。

*個人的には1986年ドイツ、デュッセルドルフにボイスのリサーチで滞在した時、日系企業で働くニュエン(グエン?)さん家族(ベトナム難民)にお世話になった経験があり…。
 


澤隆志(キュレーター)
もともと外国語は流暢でなく、ここ数年は母語までカタコト生活な自分がいちばんリラックスできるのは非英語圏の方とカタコト英語でコミュニケーションする時間だったりする。
最近はタイ人とやってる。そこそこうまくいってる。

そんな状況を知ってか、仲本さんに特別試写してもらったこの映画。

試写といってもsound onlyなので真っ暗な部屋で聞くのもよし、僕は某女子大のカフェで再生。

日本語教師でもある音楽家とベトナム、ミャンマーの技能実習生たちの対話によるvoices ーsongsーsoundsの旅。

共作した歌もステキだけど、前半のなにげない対話に、祖国の過酷な歴史、我ら元経済大国が強いる技能実習生制度の状況、その制度に直結した「ただしいにほんご」しか話せないもどかしさetcがにじみ出てきてなんともせつない気持ちになった。

ここ大事!逗子で開催される「らせんの映像祭」のオープニング作品。太平洋の向こうの国を想起できるか否か。タイミングが合えば「牡蠣工場」(2016) 「海辺の彼女たち」(2021)と共に見てください!

村岡由梨(映像作家)
これまで、「音のない映画」をいくつか観たことはあるが、「映像のない映画」を観たことは初めてかもしれない。

これは、岡山にある日本語教室のメンバーが、言語の壁を超えてひとつの歌を完成させるまでを記録した、「映像のない」ドキュメンタリーだ。
最初はweb翻訳の力も借りながら、監督が文字通り手探りで言葉(歌詞)を探っている様子が記録されている。

観ている私たちも、何も映っていない画面を観ながら、この映画が云わんとしていることを手探りで掴み取ろうとする。それは容易いことではなかったが、電車が通り過ぎる音や雨の音などに身を委ねる内、脳内に鮮やかなイメージが湧き始め、その数々のイメージが映像を観るよりもはるかに雄弁に感じ私自身とても驚いた。

全く新しい映像体験だった。そして、『Our Sounds』というタイトル通り、気づけば私も彼らの輪の中に入っていたのだ。「仲間たち」のカタコトの日本語は、どこまでもピュアで温かい。彼らの体験を通じて語られた「日本」も温かさと優しさで溢れている。
ラスト、様々な言語が重なり合い・混ざり合ってひとつの歌が完成したのを聴いた時は、思わず涙するほど心が揺さぶられた。この歌を聴く為だけでも、一見の価値のある映画だと思う。

磯部真也(映像作家)
らせんの映像祭、オープニング上映作品のハブヒロシさんの「音の映画-Our Sounds」を鑑賞させていただきました。

なんと驚きの映像のない音だけの映画!いやはや素晴らしい体験でした。

この作品は岡山県高梁市の日本語教室に集まったベトナム人技能実習生達を中心とするメンバーがハブさんと共にハッピーな音楽を作っていくセルフドキュメンタリーです。楽曲の制作過程の他に、出演者それぞれのバックボーンや、日本での生活についての会話によって構成されています。

この作品が映画であるかどうかは語られるべき面白いテーマだと思いますが、個人的にはこれを「映画」と言い切った事が重要なのだと思いました。何故ならそれにより「映像がない」という現象が生まれるからです。

CDにせよ配信にせよ音声のみの表現形態としてリリースされていたらそれはありません。「映像がない」事で、鑑賞者の想像力もどこまでも遠くへ延びていきます。世界は広さを保ち続けながら、またその一方では出演者達の存在を非常に近く感じさせてくれます。

映画における大きな要素が存在しない故に生まれた空間を体感する、という稀有な体験でもありました。とにかくめちゃくちゃ面白いのでこの上映をご自身の「耳」で体験してみてください!

映画、映像好きの人達だけではなく、音楽畑、音楽好きの方々にもおすすめします!

山下つぼみ(映画監督)
観ている人それぞれが違う映像が見える「映像のない映画」。

人と人の距離感、関係性が「見える」体験が面白い。最後に向かうにつれ広がる祝祭感に目頭が熱くなった。すごく豊かな「映画」だった。

我々は色々な出来事や、他者との関わりから繊細に情報を読み取り、生きているのだと、登場人物の話からもわかるし、自分の中から湧き上がる。音楽のパワーってすごいな!エンドクレジットまで楽しかったです。逗子の「らせんの映像祭」で上演されるとのことで、これは色んな人と一緒に見るとより素敵な体験ができると思う。

「映画とは」とグズグズ言ってる自分に優しい鞭を打たれた気分。しかし、プログラムを作ってる仲本さんのセレクション、素敵すぎてワクワク。。。

坂本夏海(アーティスト)
これは、岡山県高梁市の日本語教室に通うベトナムやミャンマーからのメンバーと一緒に一つの歌を作り上げるという試みをカメラを使わずに録音機だけで記録した「音だけの映画」です。

彼らの母語の言葉やメロディー、覚えたての日本語と織り交ぜながら、歌の協働制作をする様子を記録したドキュメンタリー作品です。

視覚を通さずとも、対話や環境音の響きから情景が自然と立ち上がり、物語が浮かび上がるとても不思議な経験でした。

コロナ禍で故郷を離れて暮らすこと、文化の違いや生活の困難さを抱えながらも今を生きること、、。技能実習生の状況、入管の収容問題。最近ニュースで見た英仏海峡で移民を乗せたボートが沈没したニュース。。

様々に想いを巡らせながらも、最後の歌の美しさとエネルギーに心打たれました。すごいよかった!

お近くの方、興味のある方、多くの方が足を運んでくださいますように。。!

幸洋子(アニメーション作家)
昨夜「らせんの映像祭」オープニング上映された、ハブヒロシ監督の『音の映画-Our Sounds』本当に素晴らしかったです。自分にとって本当に豊かなこととは何か、人と関わること、作るということに今一度向き合える、希望の感じる映画でした。旅に出よう!!!

たかけろ/おねえさん(逗子アートフェスティバル広報)
音の映画?!そう!映像がない映画なんです。12/3に逗子で上映します!
ストーリーはあるけれど、見えないからこそのそれぞれの想像が楽しい!
ラジオとは違う感覚を味わえる映画です。
是非来て欲しい作品の一つです✨

中島文子(逗子アートフェスティバル共同代表)
映像の無い音の映画というので、ラジオドラマみたいな感じ?と考えていたのですが、観ている(聴いている)感覚はまさに映画!!!でした。

不思議…。音が膨らんでいく感じが心地よく、故郷の山々を鳥になって俯瞰するような感覚。おそらく、それぞれの心の原風景が見える映画。映像がない映画ではなくて、映像は自分の中にある。

映画でした。それでいて、ドキュメンタリー。この不思議な体験を沢山の人と共有したい。

長峰宏治(逗子アートフェスティバル共同代表)
ハブヒロシ監督の『音の映画 – Our Sounds』という映画を観た(聴いた?)

タイトル通り、映像のない映画。セルフドキュメンタリー。部屋を真っ暗にして、音だけにして”観て”みた。

映画的な手法で撮っているだけど、音だけなので、感じ方が違う。普段映像的に慣れて通過していることがゾワッと引っかかる。

例えばシーンの切り替わり。映像だと切り替わった瞬間に、大体状況がわかったりするのだけど、音だと、手探りで状況を確認していく。

オンラインで話をしているのか、散歩で外を歩いているのか、部屋で集まって話をしているのか、、、、セリフが先にあり、徐々に、ゆっくり風景が立ち上がってくる。

ストーリーは外国人(主にベトナム国籍)の技能実習生向けに日本語教室の講師をしている監督が、生徒たちと音楽をつくりあげていくのだが、ベトナム語と英語と日本語が入り混じり、当然「字幕」もないわけで、よくわからない部分もいくつかある。にも、関わらず「声」にフォーカスされているので、途中からなんだか出演者に妙な親近感が湧いてくる。などなど・・・・。

なんだか不思議な映画。不思議な映画だから、”観た”人の感想もそれぞれだと思う。同じ空間で”観た”人たちと話をしたら、思いがけない見方をしているかも知れない。そんな人の話を聞いてみたい。

ずしぶんか

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