こんにちは、曽和聖大郎です。
このプロジェクトの制作とディレクションを担当しております。
プロジェクト始動に先立ちまして、「オンライン意見交換会(日本語教室/多文化共生)」(9月25日(土)10:30-12:00)を実施いたしました。
これは、本プロジェクトを進めるにあたって、日本各地で日本語教室などの多文化交流事業に関わっている皆さんに、本プロジェクトを知っていただき、現場からのご意見をお聞きするためのものです。
当初は、5名程度の方の参加を予定していましたが、なんと日本語パートナーズの方々を中心に20名を超える参加者の方にお集まりいただくことができました。
本当に申し訳ないことでしたが、予定していた90分の中では、限られた方のご意見しか伺うことができず、またディスカッションの時間も十分にとることができませんでした。オンラインミーティングの進行は今後の課題ですね。
集まってくださった皆さまの熱意は想定以上で、アンケートにも本当に多くの意見を書いていただき、貴重なご意見を多く賜りまして、本当にありがとうございました。
本企画のみならず、今後の文化交流事業を行う際の重要なデータベースになるのではないかと思います。
日本語パートナーズの方々は、東南アジアを中心に現地に滞在し文化交流に関わってこられたご経験のある方々で、多くの方々が日本に戻ってからも文化交流事業に携わられています。
そういった皆さんから、意見交換会、アンケートを通して、多くの外国から来られた方が日本文化に対する興味を持っているにもかかわらず、やはりこのコロナ禍の中では、文化交流の機会が極めて限られているという意見が多く寄せられました。
また、本プロジェクトや文化交流事業に対するご意見も多くいただきました。その一部をご紹介します。
・実験的だが、今後いろいろな場面で必要になる企画なのではないか。
・文化の伝達が一方通行になってしまわないように工夫できると良い。
・こういった企画は、一時的なイベントに終わらずに、継続性を持って実施されてこそ意味がある。
・郷土芸能と、外国から来られた方の故郷の文化との間に共通点があったりすることもあるのではないか。
・外国の方々だけでなく、地元の日本人にも郷土芸能の魅力が伝わるような企画になれば良い。
・日本語の習熟度が一定以上に達していない方が日本人と関わる、地域に関わるということにはハードルがある。そこをどう越えていけるか。
・将来的にはパートナーズがいけないような国や地域(治安が悪い地域や地方など)にいる日本語学習者向けにもオンラインイベントを開いて欲しい。
・地域に住む外国人と地域の人がお互いを「この町の一員」という関係になるのが理想。
・どのようにローコストで実施していけるかがプロジェクト継続の鍵ののではないか。
・地域で活動していると、視野がどうしても身近なモノにしか及ばない。ネットを活用して他地域と交流するというような活動の可能性に興味がある。
・外国人にとっては、土地の文化を習った上で、その土地を訪れた方が、全く知識がなく訪れるよりも、喜びや理解が大きいのではないか。
・郷土芸能の持つ宗教性が、外国の方の持っている宗教の戒律とバッティングしないかという懸念がある。配慮が必要な場面もあるのではないか。
・異国に住むと誰しもがマイノリティになってしまう。自分がマイノリティであるという意識から脱することができるきっかけに文化交流がなれば良い。
・日本人と外国人を平等に参加できるような場が生まれてほしい。
どれも鋭く、本質的なご意見で、本プロジェクトを進めていく上でも、考えていかなければならないことばかりであると思います。すぐに答えが出ることではないかもしれませんが、また皆さんにご意見を伺いながら、どのような形の文化共生の形を描いていけるのか探ってまいりたいと思います。
拙い企画説明でしたが、多くの方にプロジェクトに興味を持っていただくことができ、今回オンラインワークショップに参加していただく日本語教室も、この意見交換会がきっかけで、星野さんから青森県南部町の南部町国際交流文化センター日本語教室さん、野中さんから京都府京都市の京都市国際交流協会日本語教室さんと決定いたしました。
ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました。
(曽和ディレクター)
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